上海旅行で戸惑いやすいこと|スマホ決済・通信・タクシー事情
公開日:2026-08-21
上海は高層ビルが立ち並ぶ大都市で、地下鉄も清潔で移動しやすく、観光地としての完成度は高い都市です。ただし東南アジアや台湾・香港と比べても「情報通信」まわりの勝手の違いが大きく、着いてすぐに「Googleが開かない」「地図アプリが動かない」「現金を出したら怪訝な顔をされた」といった戸惑いを感じる旅行者が少なくありません。ここでは実際の旅行記やブログで報告されている具体的なつまずきをもとに、通信・決済・タクシーまわりの注意点を整理します。
着いてすぐ「Googleが開かない」——グレートファイアウォールの壁
上海を含む中国本土では、Google検索・Gmail・Googleマップ・LINE・Instagramといった日本人が日常的に使うサービスが、グレートファイアウォール(防火長城)と呼ばれる検閲システムによって軒並みブロックされています。2025年5月に上海のサーバーから実際に接続テストを行った記録では、VPNなしの状態ではGoogleの主要4サービスすべてが完全にブロックされた一方、VPNアプリを使うといずれも接続に成功したと報告されています。旅行者向けには、あらかじめVPN機能付きのポケットWi-Fiをレンタルするか、出発前にVPNアプリを日本で契約・設定しておくかの二択になる、という整理がされています。現地の通信環境に入ってからVPNアプリを新規にダウンロードしようとしても、そのダウンロード自体がブロックされてうまくいかないケースがあるため、設定は必ず日本にいる間に済ませておくのが安全とされています。
VPNアプリや地図アプリのダウンロードは、必ず日本国内のWi-Fi・回線で済ませておきましょう。中国本土に入ってからアプリストア経由でVPNをダウンロードしようとしても、ダウンロード自体がブロックされて手に入らないことがあります。
地図はGoogleマップから乗り換えが前提
現地の地図アプリの主流は百度地図(Baidu Maps)や高徳地図(AMap)で、Googleマップは中国本土では地下鉄やバスの経路検索結果を表示できず、実質的に使い物にならないと報告されています。百度地図は基本的に中国語表示で英語モードが用意されていないため、日本語で行き先を検索できるGoogleマップ側でスポット名をコピーし、それを百度地図に貼り付けて検索する、という回避策を紹介するブログもあります。ディズニーランドのような有名観光地は英語や日本語のままでも検索できるとされていますが、細かい住所や店名は中国語表記が必要になる場面があるようです。またアカウント登録には中国国内の電話番号(+86)が必要なため、配車連携やお気に入り保存といった機能は日本の電話番号のままでは使えない点も報告されています。通信が不安定な場面に備え、事前にオフライン地図をダウンロードしておくと安心という声もあります。
現金お断りレベルのキャッシュレス化と、カードが弾かれる場面
上海の決済事情について2024年5月の訪問記録では、空港内のレストランや免税店、両替カウンターはカード・現金・QRコードのいずれにも対応していた一方、市内のLEGOストアではクレジットカードでの支払いがそのまま弾かれてしまったという体験が綴られています。地下鉄の改札もAlipayのQRコード提示が標準になっており、現金や交通系ICカードだけでは戸惑う場面があるとされています。Alipay・WeChat Payは2023年7月から海外発行のVisa・Mastercard・JCB・Amexカードの紐付けに対応しましたが、1回200元を超える決済には3%の手数料がかかり、1日あたり3,000米ドル相当、年間5万米ドル相当という利用上限も設けられています。現金を完全に拒否することは制度上できないとされていますが、「お釣りがない」と言われて結局困る、という報告もあり、同ブログでは500〜1,000元程度の現金を予備として持っておくことを勧めています。
タクシー配車アプリDiDiは「中国の電話番号」の壁
配車アプリのDiDi(滴滴出行)を単体でダウンロードして使おうとすると、中国国内の電話番号での登録が求められる場面があり、日本の電話番号のままではアカウントを作れないケースがあると報告されています。回避策として紹介されているのが、AlipayやWeChatのミニプログラム(アプリ内アプリ)からDiDiの配車機能を呼び出す方法で、これなら日本の電話番号でAlipayに登録していればそのまま配車できるとされています。浦東国際空港でDiDiを呼ぶ場合は地下2階(B2)に3か所の乗り場があり、事前にP1・P2どちらの駐車エリアかを選んで手配する必要があるなど、初めてだと迷いやすい導線になっているという報告もあります。配車まではおおむね数分、長くても10分程度という体験談もありました。
空港でSIMカードを買うと「パスポート番号」まで登録される
上海の空港到着ロビーでは、日本の空港より大きなカウンターに複数のスタッフが常駐してSIMカードを販売しています。ある旅行者の記録では、一番安いプランで20GB・200元(約4,000円)、4日間以上使える内容だったといいます。購入時にはパスポートの提示を求められ、パスポート番号がその場で登録された、という体験が綴られており、これは他の国では経験したことがなかったと驚きを記しています。中国では通信契約における実名登録が法律で義務付けられているため、SIMカードを使う以上はこの手続きを避けることは難しいようです。eSIMであれば物理カードの抜き差しが不要で、帰国時にSIMを紛失する心配もない、という利点も紹介されています。
タクシーのカード払いは「期待しすぎない」のが無難
上海のタクシーはカード決済端末を搭載した車両もありますが、フォートラベルの質問掲示板では「決済端末があっても実際にカードで支払える車両はごく一部」「対応車両かどうかを示すステッカーなども特になく、見分けるのは難しい」という回答が複数寄せられていました。カード対応をあてにして市内の移動計画を立てるより、空港到着時に3,000円程度を現地通貨に両替しておく方が確実、というアドバイスも見られます。参考までに、静安寺から浦東国際空港までの所要時間は1時間ほど、料金は170〜200元程度という実例も紹介されていました。
AlipayとWeChat Payは日本にいるうちに登録とカード紐付けを済ませておくのがおすすめです。現地に着いてからSMS認証をしようとすると、日本の電話番号あてのSMSがうまく届かないケースがあると報告されています。
出発前にチェックしておきたいこと
- ✓VPNアプリ(またはVPN機能付きポケットWi-Fi)を日本にいるうちに契約・設定しておく
- ✓百度地図(Baidu Maps)または高徳地図(AMap)をインストールし、可能ならオフライン地図もダウンロードしておく
- ✓AlipayとWeChat Payに日本のクレジットカードを紐付け、日本の電話番号でSMS認証まで済ませておく
- ✓現金500〜1,000元程度を予備として用意し、クレジットカードだけに頼らない
- ✓タクシーはDiDi単体アプリではなく、AlipayやWeChatのミニプログラム経由での配車も検討する
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